そして、一人の女性死神が
僕を襲ってくる。鎌をふりまわす。

「消えてくれる?お前が生きていたら玲司(れいじ)が不幸になるの。だから消す。」
(玲司って聞いたことがある。)
「う……ぅ。頭が痛い。」

死神の男性が僕を庇う。
鎌が男の背中に振り落とされる。
「朱希、大丈夫か?」
あの日と重なる。

今日と同じようにこの女に僕は襲われた。
そして、親友である玲司が僕をかばい、その傷が元で死んだ。
僕は受け入れたくなくて、その記憶をなくした。
「玲司。忘れててごめん。助けてくれてありがとう。」

「朱希。俺のこと思い出したのか?」

「うん。思い出した。」

「だけどもう遅い。最後にこの女と消滅する。」

そして、玲司は消滅した。

いなくなった。部屋を眺めながら僕は泣いた。

そして、一年が経ち、僕は玲司の墓参りに行った。

僕は玲司の墓に線香を上げ、手を合わせる。

僕は君のおかげで今日も生きています。

END