真実の愛のカケラ

席を立ち、厨房まで案内される。
後ろからは拓哉もついてきてくれている。


「ここをお使いください」


「あ、ありがとうございます…」


案内してくれた人が去った瞬間、全身の力が抜けてその場にへたりこみそうになるのを、拓哉に支えられる。


「お、おい…」


拓哉の声も不安が混ざっているように聞こえる。
このまま胸に飛び込んで泣いてしまいたい。
助けてって弱音を吐いてしまいたい。
こんなの、私には荷が重すぎるよ。


「ごめん、拓哉。
わかりましたなんて言ったけど、無理かも。
料理なんてほとんどしてこなかったし。
会長相手だなんて…」


「柚希。
俺こそ1人で背負わせてごめん。

だけど、勝機はある」


「え?」


なんでそんなに自信のある目ができるの?
本当に、勝機なんてある?


「祖父さんに何としてでも認めさせる。

柚希、あの料理でいこう」


ぽんと肩を叩かれて勇気を呼び起こしてくれる。


あ、あの料理か…。



認められるかどうかなんてわからない。
だけど、拓哉がやれるって言ってくれた。
それなら、拓哉を信じるのみ!