「今から、宮野さんにわしの納得できる料理を作ってもらう」
「…え」
私だけじゃない。
その場にいる人全員の声が揃った。
まさか私だけに条件が出されるなんて、考えてなかったよ!
まずい。
これは最大のピンチだ。
「難しくなどないじゃろう。
ただ、まともに料理もできない女を迎え入れるほど、能見家の敷居は低くないと言っておるだけじゃ。
どんな料理でも構わん。
わしが納得できるものであればの」
ぐさり。
思ってもないことを…!
会長ほど料理に関して口うるさい人はいないって、会社では有名だよ。
そんな人に認められる料理を出すなんて…。
あー、どうしよう。
心がポッキリ折られたかも。
だけどここで、条件を変えろなんて言えない。
この条件でやるしかないんだ。
「わかりました。
作ってきます」
強気な発言をしてるのは百も承知。
ただ逃げたくないだけ。


