真実の愛のカケラ

「親として、娘が不幸になろうとしているのに引き止めない訳にはいかない。
だが、幸せを掴むためなら送り出すしかないだろ。

いいか。
立ちはだかる壁は壊せば良いだけだ。
男なら正面突破あるのみ!
勝負に勝つための涙や傷は糧になるからな」


「…はい!」


ビールを注ぐ父親の姿がとてつもなく大きく見えた。


「お父さん酔っ払ってるよな」


「完全にね」


その隣で笑いながらそう言っている2人だが、俺の胸には重たく響いていた。
おそらく柚希にも。
父親ってこんなにも偉大なのか。


「絶対に壁を壊してみせます、お父さん」


「何がお父さんだ!
早いだろ!」


ハッハッハッ…と大笑いをしているが、こっちは笑えない。
目に殺気がちらつきましたよ?


だけど、早いって言ってくれたってことは、いずれはそう呼んでもいいってことだろうか?
100年早いなんて意味じゃないよな?
だったら俺、立ち直れない…。