忍くんをじーっと見つめてるとバチっと目が合う。

やばっ、見てたのバレる...!


私は慌てて目をそらす。

あの一件があってからというもの、あまり口を利いてない。
なんだか怖いし...


もう一度忍くんを見るとまた目が合う。


ひぃっ...
なんだかずっと見られてない...?


よく見ると忍くんは口をパクパク動かしている。


“こっちみるなドジ”


なっ...!



「そっちだって見てるくせに...」


私はぼそりと呟く。


忍くんはそれが聞こえたのかくすりと笑った。


あ...久しぶりに忍くんが笑った顔みたかも。

やっぱかわいい...


みとれていると笑顔はどこへやら。
きっと睨まれた。


やば、可愛いって思ったのバレたかも...



「真琴?
何にやけてるの?気持ち悪いよ?」

「へ?」

わ、私にやけてた!?


「何にやけてたのー?」

拓磨くんは私をツンツン。

「な、なんもだよっ」


触れられたところがなんとなく熱い...