俺が彼女、天野真琴と出会ったのは入学式。



俺が最寄りの駅から歩いて学校へ行く時のことだ。


目の前で自転車に乗った女がずっこけた。



俺は最初、何だこの女。
ただのドジでアホじゃん。


そう思っていたんだけど



「よかった...」



彼女の目線の先には小さな猫がいた。


なるほど、猫を助けようとしたのか。



その時、今までずっとしまってきた感情がふつふつと沸き上がってくる。


なんだよ、これ...


そして気づいたら




「大丈夫ですか...」



声をかけていた。