トラックの荷台に居た。運転手が一人。荷台には自分の他にもう一人。知っている人か、知らない人だったのか、今はもう覚えていない。
蛇喰夢子と、その男友達の故郷に来ているらしかった。
運転手が案内をする。
道はギザギザ。斜めに飛ぶようにして進む。例えるならイナズマであり、その特異な運転テクニックを見て「すごい」とほめたたえた。少し進んだ頃に運転手が訊いた。[Hvor er du Fra?]ノルウェー語だ。
[Jeg er Frau...]と考えていると、また声がする。同じ運転手だ。
なんだようるさいなと思い、ここで目を覚ますも、まだ自分に呼びかける声が聞こえる。それは確かに今も聞こえるようだった。声の主は、ホステルの同じ部屋に寝ている別のおっさんの寝言であった。迷惑な話である。