「あによ〜〜。ひっ、わらしは、
一人で平気れすよ〜〜。かちょ〜〜
戻っていいれすよ〜〜」

「酔っ払いをほっとけないだろ。ホラ
タクシーきたから」
ドアの開いたタクシーに
押し込まれ

隣りに何故か課長が乗った。

程よく揺れる車体に
意識が薄れていく


「お客さん、どこまで?」

俺は、佐伯の家を聞こうと
「おい!家どこだよ?こら」

完全に眠ってしまってる

「とりあえずと、⚪︎⚪︎町のマンションまで」
行き先をつげ
「つきましたよ」
「はい、起きろよ!こら!
おい!お前、家は?場所!」
「お客さん…。」迷惑そうな顔。
仕方ないので佐伯を
担ぎ、タクシーを降りた。


そのまま、
部屋に運ぶ。

ソファーに下ろすと
キッチンの冷蔵庫から
炭酸水を出し半分ほど飲んだ。
「ふぅー。」
リビングの佐伯が
「きゅーくちゅだ〜〜!えい!」
上着やブラウス、
挙句、スカートとストッキングを
脱ぎ捨て、
下着姿で
伸びていた。

「おい…おい…。俺だって一応
大人の男なんだぞ…」
できるだけ
直視しないようにそっと
寝室に運んだ。
ドアを閉めようとした俺に

「かちょ〜〜ん、ひとりは…こわいの〜
そばに…いてよ〜〜ふぅー」
俺の腰にしがみつき
離れない佐伯。

スーツを脱ぎ、
ワイシャツとネクタイを外して、
隣りに横になった。

かっちり
俺をホールドして
スヤスヤ眠る佐伯。

こいつ、こんな顔するんだ…。

小さめの唇に
そっと触れるように
唇を重ねた。

「うっっん…。ふぁ〜〜」
ふんわりした髪を撫でた。

いつも誰より強がって、
弱いところを決して見せない
佐伯の
可愛い部分を
垣間見た。