季節は5月。こんな中途半端な時期に転校してくる人はそういない。ましてや、外国から来たのだから。 そう思っていると、中村先生が「入って」と合図をした。 私は茶色がかった金髪をなびかせて教室に入った。 「アメリカから来ました。工藤 月姫愛(くどう るきあ)です。どうぞよろしく」 しばらくの沈黙の後、教室内が騒がしくなった。 中村先生はそんなみんなを静かにさせようと必死だった。