そういって無邪気な笑顔を見せる先輩。
あー、こういうのが女子をイチコロにしちゃうんだろうなっていう人懐っこい笑顔。
「本当すみませんでした!」
「いゃ、いいよ。怪我しなかった?大丈夫?」
自分のことより私の心配をしてくれる優しい先輩。
「はい!大丈夫です。」
「そ?なら良かった。廊下は走っちゃダメだよ(笑)」
「はい…気をつけます。」
「急いでたんでしょう?またね、日花梨ちゃん。」
そういって去っていった旭先輩だった。
この出会いが私と凪君の関係を大きく変えることになるなんて…
この時の私はこれっぽっちも思ってなかった。