志暢曰くガラクタの中から、愛梨は何かを見つけた。

埃を払いのけながら、それを取り上げる。

「これは…オルゴール?」

「にしても古いな。所々汚れてるし。音鳴るのか?これ」

「大事なものじゃないのかな…これ」


こんなものまで置いてあるなんて…と愛梨が驚いたように呟くと、志暢は首を振った。

「こんな所に隠した奴の心境までは分からん。だが、一概にそうとは言えん。」

「どういうこと?」

訝しげに首を傾げる愛梨に志暢は続けた。

「捨てたんじゃないかもしれないってこと。」

「…………?」

じゃあなんでこんなゴミ屋敷に?と言いたげな愛梨をよそに、志暢はオルゴールを開けた。

「何だこれ?」

愛梨もオルゴールの中身をじっと見た。

オルゴールの中身は綺麗だった。
中は赤い布で一面を覆われていて、黒い小さなオルゴールが入っていた。そして底にも赤い板が引かれている。

「これは…」

志暢が中身をひょい、と取り出した。


「…鍵…だね。」

最初に見たときは小さすぎて見つからなかったが、いっしょに鍵も入っていたらしい。
何かの鍵かもしれない、と一瞬思った。
が、それはまるでアンティークのおもちゃのようですぐにその考えを改めた。

「……………」

「何かの鍵?それともただのおもちゃ…とか?」

「……………」

「ねぇ志暢聞いてる?」

「…どこかに片付けよう。」

「え?…あ、ちょっと待って」

志暢はそう言うとすぐにオルゴールの蓋を閉めて、片付けようとし始めた。

「側面見て。」

「…側面?」

「イニシャルが彫ってある…」

志暢はよく見えるように、側面に顔を近付けた。


「Y・Y…」

「…これやっぱり誰かの大切なものだったんじゃない?」

愛梨が考え込むように呟く。


「…やっぱりどこかに飾っておこう。」

「は?片付けるんじゃなかったの」

「私達が今見つけたみたいにさ、ここに隠した人は誰かに見つけて欲しかったんじゃないかと思ってさ。」

「……………」

「だから、もっかい誰かに見つけてもらおうぜ。」


志暢はそう言うと、また掃除に取りかかった。

「だがそれは掃除を終わらせてからの話だ。さっさとやっちまおーぜ愛梨!」

愛梨も元気よく頷いた。

「うん!」