若宮たちが公園の奥の道を歩き始めて数分。やがて道が開き、広く静かな人気のない霊園へとたどり着いた。


「なんだよマブダチよ。こんな大勢引き連れて墓参りしたかっただけかよ。」


「…そうだな。これはある意味墓参りでもあるのか。菅谷もさぞ喜んでいるだろうな。こんな大勢に参ってもらえるんだから。」


「…何をしようとしている。」


「何。ライバルチーム元総長に鎮魂歌を奏でてやろうかと思ってな。」


「…それはつまり…」


若宮はニヤリと笑うと部下たちの方へと振り向いた。


「おーいお前ら!武器は持って来てるな?」

「うっす!!」

部下たちが一斉に金属バットや木刀、鈍器を取り出す。


「あぁ菅谷。あの世で指をくわえて見ていることしかできない憐れな菅谷よ。そこで良く見ているんだな、お前が生きていた証さえもが崩れ去る姿をな!」


若宮は勢い良く木刀を空に向けた。


「行くぞお前ら!菅谷真悠子の墓を破壊する!何も遠慮はいらねぇよ!」


「おっしゃああああ!!!」


誰もが皆雄叫びを上げ、菅谷の墓へと向かって走り始めた。


その時




「はーいストップストップ!落ち着こうぜお前ら、な?な?」


「…どういうつもりだ相棒」



いつのまにか拘束を逃れていた志暢が、墓の間に割り込む。



「他人の墓前でそんな殺気立てたらいけないなぁ。もっと平和にいこうぜ?そうだなぁ…缶けりなんてどうだ?」

「…はぁ?」


志暢は足下に落ちていたジュースの缶を拾い上げ、笑顔で若宮に差し出した。