『咲斗⁇』
固まったままの咲斗の顔の前で手を振ると、ハッとしたように我に返った咲斗が、吹っ切れたような笑みを浮かべた。
その笑みはなんですかね、咲斗さん。
そんな咲斗を目を細めながら見ると、私を見た咲斗が、私の頭の上に手を乗せる。
『お前といると、気が楽になるな』
そう言って、頭に乗っけた手で私の頭を撫でて笑みを浮かべた咲斗に、今度は思わず私が固まってしまう。
……え!?
今のセリフの意味も少し、いや、かなり理解できなかったけど!
この不思議なくらい甘い咲斗も、理解できてないよ‼︎
『……アホ面』
未だに理解できずにいた私を見てそう言った咲斗は、フッと笑って頭から手を離す。
て、それよりも!!!
『アホ面って言った⁉︎
私のどこがアホ面なの!』
咲斗の言葉に突っ掛かり、おかしそうに笑う咲斗をギロリと睨みつける。
『睨んでも怖くねぇよ』
私の睨みをそう言って交わした咲斗が、私を見ながら何かをさす。
『次、あれ』
『……ん? 何アレ』
咲斗の指した方向を見て、私が首を傾げたのと同時に、中から金属音が聞こえてくる。



