「ヒナタくんがキスしてるところを見て本当に悲しかった。
わたしがどれだけ嫌がらせされてても、ヒナタくんが私のことを好きでいてくれれば他には何もいらなかった。
ヒナタくんに手を出すって言われてからヒナタくんといるところをできる限り見られないようとするのに必死だったの。
でもきっとそのせいだよね。
ヒナタ君の心は離れて行っちゃったんだよね。
ヒナタくんにも嫌われた時私にはもう生きる意味が無いって思った。
それで、すべて終わらせようとしたの。
でも、終わらせられなかった。
ヒナタくんは私がされた事を知って毎日謝りに来てくれた。
最初は本当に許せなかったけど
だんだんもういいかなって思った。
でもね、聞いちゃったんだ
トイレから病室に戻ろうとドアに手をかけた時ヒナタくんとアオイくんとの会話を。
『なあ、ヒナタ。お前いつまで続けるつもりだよ』
『え?許してくれるまでに決まってんじゃん』
『お前、最近寝てないだろ。俺にも何も言わなくなったよな』
『寝ようとしたらさ、レイが泣いてるんだ。それで、あんなに苦しめたのになんでのんきに俺は夢なんか見てんだって寝れないんだよ』
『自分のこと、責めすぎだぞ。
お前、サッカーのレギュラー降りたのもそのせいか。勉強とか言って、自分が幸せにならない方向に進んでるだろ』
『それくらいしねーと…俺は一生背負っていかなきゃダメなんだ…』
違う。全部全部、わたしのせいだった。
私のせいでヒナタくんは…
わたしがヒナタくんの笑顔を奪っていってたんだ、ってね。
もうそばにいるべきじゃない。
私はヒナタ君のそばに一番いたらダメな人なんだって
本当はこの町に残ることも出来た。
転勤は3年だけって分かっていたし。
でも、私はここを出ることにした」

