―れん…
―花恋…
「花恋!!!!! おーい!起きてるか!?!?!?」
はっ!私いつの間にぼーっとして…
いかんいかん。
「ごめんごめん。なんかボーっとしちゃってた(笑)」
「もう、しっかりしてよね!」
「以後、気をつけます…」
「ははは!冗談だって!」
「だよね〜!」
2人で笑い合う。
実はこの瞬間が一番好きかも知んない。
まぁ、恥ずかしくてそんなこと言えないけどね。



―キーン コーン カーン コーン…
―ガラガラ…

「はーい!皆さん!これから他個紹介をしてもらいます!」
ん?んん?なんだ?他個紹介って。
「他個紹介とは、自分じゃなくて他の人を紹介することです!まずは隣の人と自己紹介や質問をして相手の事を知ってください!」
ぇぇぇえええ!!!!! こ、この人見知りの私にそんなことをさせるとは…。先生もやるな…。
女子のクラスでよかったー。
あ…、えっと…話さなきゃダメだよね。
名前名前…
「えっと…私、北中から来ました、夢月 花恋といいます!そっちは?」
「私、風元 ふうかです!よろしくね!」
「うん!よろしく!」
あぁ。いいこオーラ出てるわー。話しやすい人でよかった…。
「あの、夢月さん。」
「あ!花恋でいいよ!」
「じゃぁ、花恋ちゃん!あの…私人見知りで話すの苦手で…。」
「大丈夫。冷静な感じ出してるけど相当な人見知りだから。」
「だよね!」
「まぁね。」
「じゃぁ、質問いいかな?」
「OK!いいよー。」
「好きな歌手とか好きな物ってある?」
「んー。私BBB(トリプルビー)が好きかなぁ。そっちは?」
「私、アニメとかボカロとか好きかも!」
「あ!ボカロ私も好き!」
「マジ!?やったね!」
初対面&人見知りにしてはすんなりと話し合いが進められた。よかったー。高校生活楽しくなるかもじゃん!
青春するぞぉぉぉおおお!


2人の話も盛り上がり、他個紹介も終わって終令を迎え、後は変えるだけになった。
(美来、どうせ帰り道一緒だから誘おうかなぁ。)
そう思って美来誘ったら、
「ごめん!花恋!これから部活の集まりがあって…。時間かかるから先帰ってて!!!!!」
「えぇ!まじですか…。」
「うう。ごめんねー、花恋。」
「わかったわかった!その代わり今度は一緒に帰ろうね!」
「OK!ばいばい!」
「ばいばーい!」
私は、教室を出て靴箱にいると隣の席の子が見えた。
名前はえーと、確か…
「風元 ふうかちゃん!」
「ん?はは!なんでフルネーム?」
「あ!ごめんごめん。焦っちゃって。」
「ふふ!花恋ちゃん面白い!もう帰るの?」
「うん!じゃぁ、また明日ね!」
「また明日!」
誘おうと思ったけど中学が違うから帰り道は逆方向。誘っても虚しくなるだけか…。
(よし!帰ろ。)
そう思って、私は、校舎を出た。