時をかける少女がテレビで放送されたことで
話が持ち切りだった。
琉弥は未来で待ってると言うセリフが
自分の中で流行ったらしく連呼していた。
体育館の水道の前で
私が横を通り過ぎようとしたとき
琉弥は突然目の前に立った。
「未来で待ってる。」
そんなに流行ってるのか。
そう思いながら真顔で見た。
「……?(あれ、無反応?)
ねえ、なんか反応してよ。」
「んー、そういうのは
好きな子に言ってみたら?」
「もう言ったけど。」
「え、早いね。」
「うん。」
「そしたらなんて?」
「えっ」
「ん?」
「いや、まず男バスにしか
会ってないんだけど。」
「てことはその中に好きな人がいるんだ。」
「うん。」
「で、なんて?」
「えっ。
いや、え、真顔で…無反応で…」
「ふーん、私と同じだったんだ。」
「うん。?」
私はその場を去りながら
「かっこよかったと思うよ。」
と小声で言った。