不良にならなきゃ★始まらない?!


ぬいぐるみを抱っこする私を、琉聖くん

が、グイッと引き寄せた。


「こっち来い」


肩に回された腕、その腕に守られながら

人混みの中を歩いた。


ときどき立ち止まっては、私を見つめ、

抱きしめてくる琉聖くん。


「離れるな」

『うん…』


「一生だ」

『うん…』


大好き過ぎて、どうにかなりそう。


りんご飴を、二人で代わる代わる舐めな

がら、たくさんお土産を買って神社まで

戻った。


もう辺りは、真っ暗。人気のなくなった

神社の縁側に座り、遠くに聞こえる祭り

囃子に耳を傾けた。


『楽しい!』

「だな」


『琉聖くんは、どうしてそんなに喧嘩が

強いの?』


「ガキの頃からキックボクシングやって

たからな。あとは、センスだろな」


『喧嘩ってセンスいるの?』

「いるさ、センスと才能」


『そうなんだ?』


夜風が、少し寒い。


「寒いのか?」

『うん、少し』


優しく、抱き寄せてくれる。


『ずっと、こうしてたい…』

「…だな」


頬に手を添え、甘いキス。


いつもと違う、長い長いキス。


離れたかと思うと、また重ねられる唇。

心が溶けてしまいそう。


『…ん…っ』


キスは、唇から耳に移って、首筋に降り

てきた。


『…りゅ…!…』


怖くて、思わず手で顔を押した。