『琉聖くんが来なくて、少し不安になっ
てた』
「ばあか、俺は必ず来るんだよ」
『うん!』
チュッ、チュッ
『ちょーっ!!』
「何だよ?」
『こんなとこで、しないで!!』
「何でだよ!!」
チュッ、チュッ、チュッ
『…んッ!』
ダメだ、この人。
みんなの視線をあびながら、私達はお祭
りへと向かった。
りんご飴、わたあめ、クレープ、お好み
焼き…
「どんだけ食う気だ」
『うわっ!聞こえてた?!』
「聞こえるよ」
『楽しみ過ぎて!』
「そうか」
ニヤリと笑う、琉聖くん。
ヤバイ、またキスされる?!
「何もしねえよ」
『はあ、良かった』
「と、見せかけて」
チュッ
『…ん!もう、嘘つき!』
「ばあか」
もう!もう!恥ずかしってば!どうして
こう大胆なんだ、この人は。
「射的やろうぜ」
『え?う、うん!』
「一華、何が欲しい?」
『え?えっと、猫のぬいぐるみ!!』
「オケ!」
スパーン!!
「二等!!おめでとうございます!!」
『え?!ええーっ?!』
「ほら、猫」
あんな小さな的に、軽々当てちゃった。
琉聖くん、何者?!
『あ、あ、ありがとう。琉聖くん、凄い
んだね』
「余裕!!」
『めっちゃ可愛い!』
「良かったな」

