田園に囲まれた、狭い道。チラ見しなが

ら通り過ぎていく生徒達の、視線が気に

なる。


琉聖くんは、まったく動じない。


大胆な人だな。


過激っていうのかな。


マジなキスって、どんなだろ?さっきの

キスでさえ、死にそうだったのに。それ

以上だなんて、どうにかなりそう。


琉聖くんは、経験豊富そうだな。


『琉聖くんは、経験豊富なの?』

「何だよ急に」


「昔は、色んな女こなしたけど、今は、

一華しか興味ねえし」


『あ、あ、あ、アホ』

「はあ?なんだと、テメエ」


『だって、照れちゃうよ』

「アホはオマエだ」


ヤバイ、好き過ぎて、ヤバイよ。


「何か食うか?」

『え?う、うん!!』


「何がいいんだ?」

『肉まん!!』


「オケ!」


きゃああー!琉聖くんと寄り道なんて、

信じられない。めっちゃ嬉しい!


「肉まんとピザまん、一個ずつ」


レジで注文する琉聖くんは、似合わな過

ぎて滑稽。


「なに笑ってんだ、一華」

『だって、似合わないんだもん』


「うるせ!」


「ほら」

『わああー!ありがとう!』


あったかい肉まんを、一口ほうばる。


「幸せそうに食うな」

『幸せだよ。琉聖くんは食べないの?』


「俺、猫舌なんだ」

『猫舌?!可愛い』


「可愛い言うな」


そんな可愛い一面があったんだ。もっと

色んなこと知りたいな。