「俺は、柏木先生とのことも知ってた。

葵ちゃんが、先生と過ごすことで安らぐ

んだったら、見守るしかないと思った」


「けど、影で泣いてる葵ちゃんを見つけ

た時、もう、ガマンの限界だった」


「…颯真くん」


「葵ちゃん、四年前からずっと好きだっ

た。俺の側で、いつも笑ってて欲しい」


「…颯真くん…ありがとう。でも、私は

もう昔の私じゃない。ひどく汚れてしま

ったの」


「そんなことない。今も、綺麗だよ。

どんな辛い思い出も、俺が、塗り替えて

みせる。葵ちゃんの全部が、好きだよ」


「…颯真くん」


「どうしても、伝えたかったんだ」


成宮くん、葵さん、二人とも辛かったん

だね。ガンバったんだね。


ユウちゃんも、葵さんの両親も、私は許

さない!大人の都合かなんか知らないけ

ど、そんな無責任な大人に、私は絶対な

らない!


「一華は、俺が守るからな」


琉聖くんは、真面目な顔で私を引き寄せ

そう囁いた。