『ヤバイ!!早く行かないと、琉聖くん

に怒鳴られる』


「そ、そうだね!じゃあ図書室で待って

るね」


まだ興奮冷めやらぬ紗夜を残して、私は

屋上へと急いだ。


ハア、ハア、息が切れる。


ふあ!まだみんな一服中だ、良かった。

駅伝大会まで2ヶ月をきった。ますます

気合い入れてガンバらないと!!


「白咲さん!」

『うわっ?!成宮さん!!』


私の後ろから、成宮さんが現れた。幽霊

かと思った!はあ、驚いた。


「お邪魔するね」

『は、は、はいっ!』


「如月くん」

「成宮か、どうした」


「お礼したいことがあってさ、こっちに

来た」


「礼?」

「乙川くんに、駅伝に参加してくれてあ

りがとうって言ったら、礼なら琉聖さん

と仲間に頼むって言われたから」


「堕威か、アホだな」

「アホ?」


「ああ、アホだ!」

「よく分かんねえな、あはははは!」


「わざわざ、悪かったな」

「いや、乙川くんのこと、ありがとう。

彼は別格だよ」


「そうか、よろしく頼むよ」

「おー!じゃあ戻るよ、立ち入り禁止の

屋上に長居するわけにいかねえしな、俺

の場合」


「だな、生徒会長さん」


屋上って、立ち入り禁止だったんた?!


成宮くんが、苦笑いしながら練習へ戻ろ

うとした時


「…華島さん?!」