『あのね、キスされた』
「ちょ!早っ!!で、どうだった?」
『…怖かった』
「あらあら、そのうち慣れるわよ」
『ええっ?!』
紗夜ったら、あっさりしてるんだから。
『琉聖くん、強引なんだもん』
「あら、じゃあ、一華は、受け身の男が
いいんだ?」
『いやっ!?』
「でしょ?カッコイイじゃない琉聖くん
モテるのよ、彼」
『そうなの?ヤバイね、私?!』
「そうよ、ヤバイのよ」
『?!紗夜ああー?!』
「だから、怖いとか言わないの」
『は、はあい。ううっ』
紗夜には敵わない。
琉聖くんモテるんだ?…心配だな。
だいたい私の、どこがいいんだろ?もし
かしてブス専?!
自分で言ってて、虚しくなってきた。
『紗夜あー、琉聖くんはブス専かな?』
「あははは!やだあ、一華は可愛いよ!
クリクリのつぶらな瞳、小さな鼻と口。
細く尖ったあご、キメの細かい肌、キン
キンと通る声、いじってない髪、まるで
少女みたいだもん」
「彼氏のためにも、自分のためにも、ち
ゃんとオシャレしなきゃだよ」
『は、はいっ!!』
「それで良し!!」
少女かあ、ここは、喜んでいいのかな?
可愛いって思われたいな。
なんか変わったな、私。
恥ずかしい。