『…紗夜』
「一華、お疲れさま」
『うん、ありがとう』
「帰ろっか?」
『うん!』
今日も、図書室で待ち合わせ。
『甘いもの食べたい』
「同じく!」
『「クリームあんみつ!!」』
『「きゃああー!キマリ!」』
寄り道、決定。
「抹茶クリームあんみつ二つ」
「かしこまりました」
うわあ、テンションあがる!!
『ねえ、紗夜…』
「ん?」
私は、気になっていた葵さんのことを、
紗夜に話した。
「前に私がさ、知る人ぞ知る 、華島 葵
さんって言ったの覚えてる?」
『うん、隣り町の本屋でだよね?』
「そうそう、葵さんとユウちゃんが付き
合ってること知ってる人は、少なくない
かもだよね。実際私も、友達に聞いて知
ってたわけだし」
『葵さん、今、どんな気持ちでいるんだ
ろ?戻ってきてくれるかな?』
「彼女のことだから、仲間を離れるとし
ても、きちんと筋は通すと思うし、今は
信じて待っててあげるのがいいんじゃな
いのかな」
『紗夜、琉聖くんと同じこと言ってる。
さすがだなあ!』
「あら、お恥ずかしい。彼氏とは仲良く
やってるの?」