葵さんのことが、気になって仕方ない。

クラスメートに聞いたら、登校はしてい

るみたいだけど。


『ねえ、葵さんはどうしたんだろ?』

「…ん、葵がどうかしたのか?」


『昨日も、今日も、ぜんぜん顔出さない

から心配で』

「出す出さないは、葵の自由だろ」


『けど、何かあったんじゃないかって、

心配なんだもん』

「俺は、来るもの拒まず、去る…」

『…去るもの追わず、でしょ?冷たいよ

琉聖くん』


「なあ、葵はそんなやわな女じゃねえし

筋の通った女だ。俺らの仲間に根性なし

はいねえ。一華、オマエもだろ?葵のこ

と信じてやろうぜ」


『琉聖くん…うん、ありがとう』


琉聖くん、そんな風に思っていたんだ。

私のことも…嬉しい。


葵さんは、すごく元気が出たって言って

たのに、私ったら勝手に、無理してたの

かもなんて想像しちゃってた。葵さんの

ことを信じよう。私と話せて嬉しかった

って言ってくれた、葵さんの言葉を信じ

よう。


そうだ、今日から応援練習だ!昨日は私

のせいで練習できなかったから、今日は

しっかりやらなくちゃ!