不良にならなきゃ★始まらない?!


「そうだったのね。たぶん、その人よ、

私の大好きな人。付き合って、もう二年

になるの。自分の気持ちに、気がついた

時、どうしていいか分からなかった。好

きで好きで、どうしようもなくて、叶わ

ない恋だって分かってても、止めようが

なかった」


『葵さん…切ないね』


『私は、恋愛経験も無いに等しいし、本

気で人を好きになったことも無いから、

葵さんの気持ちを分かってあげられない

けど、でも、自分をコントロールできな

くなってしまうのは、何となく分かる気

がする』


『例えばそれが、世間の常識から外れて

いたとしても、好きでそうなったわけじ

ゃないし、たまたま好きになった人が、

結婚していたってことなんだって思う』


『誰かを傷つけてしまうって分かってて

も、どうにも止められない気持ちがあっ

て当たり前だと思う』


「一華ちゃん、ありがとう。でももう、

限界かもしれない。こんなはずじゃなか

ったのに。辛くて、悔しくて、素直にな

れない自分がいて。寂しくて、髪を染め

たり、タバコを吸ったりして、自分をア

ピールしても、虚しいだけだった」


「前の自分に戻りたい、恋を夢見てた頃

の純粋な自分に戻りたい。今日、卒アル

を見てそう思ったの」