「成宮、そういうことで」
「如月くん、皆さん、ありがとう!」
副団長なんて、副団長なんて、なんで私
なの?学ランだってマントみたいだった
し、ムリだよ。
そういえば、団長は誰がやるの?成宮さ
んじゃないなら、琉聖くん?
成宮さんは応援団長をやるつもりで、リ
ーゼントにしたり、硬派な感じを目指し
てたんだね。琉聖くんの真似をしてたわ
けじゃなかったんだ。
だよね、自分の信念をしっかり持ってる
人だもん。危うく、勘違いするとこだっ
た。でも、髪とか、雰囲気が変わっただ
けじゃなく、痩せたっていうか、引き締
まった気がする。
「じゃあ、如月団長!よろしく」
「おー!成宮も一緒にやんだろ?」
「いや、俺は走る!!」
「な?!マジか?!」
「「「!!おおーー!!」」」
仲間達から、歓声が上がった。
「マジかよ、なら俺らも命懸けだ!」
こうして、琉聖くん率いる最強の応援団
が結成された。
爽やかな秋風に乗って、仲間達の歓声が
空へと流れていく。命懸けって言葉が、
大袈裟だって思う仲間は、きっと、一人
もいない。みんなの誓いを乗せた風よ!
天まで届け!!
後で聞いた話では、成宮さんのタイムは
ダントツの一位だったらしい。

