不良にならなきゃ★始まらない?!


しばらくぶりの溜まり場は、一段と賑や

かで、笑い声が絶えない。仲間も増えた

みたいだ。琉聖くんは変わらず、真ん中

で笑っている。


私は、端っこにペタンと腰を下ろして、

タバコの煙りの行方を眺めていた。


スニーカーの足音がして、屋上の入り口

の方から、誰かが駆け寄って来た。


『えっ?!成宮さん?!』

「えっ?!白咲さん?!」


この場所で顔を合わせたことに、お互い

驚いた。仲間の視線は、一斉に成宮さん

に向けられた。


「如月くん」


「お、会長さん、珍しいな」

「だから、会長さんはよせって!実は、

頼みがあって」


成宮さんは、タバコの煙りを手で払うよ

うな仕草をしながら、琉聖くんに声をか

けた。


「俺に?」

「うん、この間の話だけど、やっぱり俺

じゃ貫禄なくて。如月くん、引き受けて

もらえないか?」


「俺が?!」

「頼む!!」


「断ったら家まで来んだろ?」

「あはははは!よく分かるな」


「分かるさ」


なんの話なんだろ?仲間達も、ざわつき

始めた。



「なあ、俺らで応援団やるぜ」



仲間はみんな、訳が分からないといった

表情で、琉聖くんを見た。