不良にならなきゃ★始まらない?!


「うまそう」って、褒め言葉なのかな?

そうなのかな?きゃあー!!鉄骨階段の

途中で挙動不審になる、私。


カンカンカン…


「そこの、ちっこい障害物」

『…はっ?!私かっ?!』


「邪魔だぞ、チチか、早く上れ」


後ろから、ドヤされて振り返った。


『堕威!!』


「ん?なんだよテメエ、女みてえな顔し

て」

『みてえじゃなくて、女だし!』


「いやマジで、うまそうな顔してる」

『ふえ?二人して、同じこと言う』


「んあ?二人?」

『…ん、いや』


「チチか」

『なによっ』


「可愛いな」

『?!?!』


「あはははは!」

『また冗談かあ!アホーッ!!』


「なんだよ、マジ可愛いって」

『ムキーッ、まだ言うかー!!』


私達の様子を、ニヤニヤしながら見てい

た堕威の連れが口を挟んできた。


「コイツ、チチかが来ねえってボヤいて

たんだぜ」

「んなわけ、ねえだろ」


「いやマジ、ボヤいてたろ」

「マジか?ヤベエな、俺」


むむっ?堕威は私を待ってたってこと?

可愛いとこあるじゃないの 、ふふん。


「今度、食わせろよ、チチか」


堕威は私の頭をポンポンしながら、連れ

と一緒に隙間を、すり抜けて行った。


なによ、なによ、まったく。