私は、自分の都合しか考えてなかった。


不良達の罵倒から逃れるために、半端な

気持ちで仲間になったけど、それでもみ

んなは、私を追い出すようなことは決し

てなかった。琉聖くんはすぐ、溜まり場

に誘ってくれたし、堕威も声をかけてく

れた。堕威にイジられる私に、琉聖くん

はさりげなく目をかけてくれたし、他の

みんなも一緒に笑ってくれてた。


それなのに私は、自分の都合ばかり優先

して、仲間の気持ちを、ぜんぜん考えて

いなかった。突然、私が来なくなって、

みんなはどう思ったんだろう。


不良は、適当とか中途半端とか言われて

るし、私も、実際そう思ってた。途中で

抜けたって、どうってことないなんて軽

く考えてたけど、本気で私を仲間だと思

ってくれてたことに、今頃やっと気がつ

いた。


適当で中途半端なのは、私の方だった。


「紗夜さん、大丈夫?」

「は、はい」


葵さんは、紗夜に優しくハグをした。


正直、葵さんのことも媚びてるみたいで

好きじゃないって思ってた。ほんとは、

めっちゃ優しいんだ。


私、戻れるかな?許してもらえるかな?

また、仲間になりたい!!