私服だけど、うちの生徒かな?それとも

卒業生?いずれにしてもチャラくて、私

の苦手なタイプだ。


紗夜の、知り合いなのかな?


いや、違う!!


あからさまに嫌な顔をする、紗夜の表情

が見えた。だよね、チャラ男は紗夜もキ

ライなはずだ。知り合いじゃないと決ま

れば追い返すのみ!!


「けっこうです!!」


紗夜のその言葉がゴーサインとなった。

知り合いじゃないと確信した私は、急い

で紗夜のもとへ駆け寄った。


『何の用ですか?』

「一華っ!」


紗夜の表情が、パーッと明るくなった。

その表情を見て、ホッと安心した。


「あれ?ちょっと地味だけど、お友達も

可愛いじゃん!怖い顔しないで一緒に遊

ぼうよ?」


ふん!どうせイモだよっ!誰がアンタ達

なんかと遊ぶかっ。


『遊ばない!どうぞお引き取り下さい』

「そんなこと言わないで、遊ぼ?」


「マジ楽しいから、ね?」


男の一人が、紗夜の肩に手を伸ばした。


『触んな!!』


私がその手を振り払うと、今度は私の腕

を掴かみ恐い顔で見下ろしてきた。


『な、何よ!?』

「力づくは、イヤだろ?」


そう言ってその男はフフンと笑い、少し

離れた場所に停めた車を指差した。


車に乗せて、連れ去るって意味?