「また明日な、チビッコチチか」

『べえーだ!』


「あはははは!」


だから、明日はいないんだようだ。明日

からは紗夜とイチャつくんだから!


こうして私は、自分の中で密かに不良生

活を終わらせた。


翌日も、琉聖くんは私を屋上に誘ってく

れた。さあ今だ!言わなくちゃ。


『あ、あのさ、屋上には行かなくていい

や。ごめんね』

「そうか」


『…うん』


あれ、意外にアッサリ。はああ、良かっ

た、怒られなかった。


でも、なんだろこの感じ?心にポッカリ

穴が開いたような、そんな気分。


そうだ、きっと紗夜不足だ!近頃は紗夜

とぜんぜん絡めてなかったし、そうに違

いない!今日は一緒に、寄り道して帰ろ

っと。


『紗夜!』

「一華?不良ごっこはどうしたの?」


『もうやめた』

「あら?」


『ねえ、寄り道して帰ろう』

「うん!ちょうど、本屋に行きたかった

の。少し遠いけど、平気?」


『あい!どこまでもお供します!』

「じゃあ、キマリ!」


楽しみ!私の求めてた放課後が、ここに

ある。ポッカリ開いた穴も、きっとすぐ

に埋まるはず。