俺は、来るもの拒まず、去る者追わずだ

から白咲の好きにすればいい。


好きにすれば…か。


よしっ!なってやろうじゃない不良に!

やれば出来る子だもん私!え?


ところで、さっきからガサガサと何して

るんだろ?


ええっ?!そそ、それは、ひ、ひ、ひ、

ひひひ、避妊具!


そ、それ、今、どうするの?


「白咲、行くか?」


行く?!行くってどこへ?!そんな危険

なものを持って、一体どこへ?!


「ほら、行くぞ」

『え、ええっ!?!?』


誰かあー!助けてえー!紗夜あー!


琉聖くんは、ポケットに避妊具を5個し

まうと、教室を出た。


5個って、5個って、そんなに?!助け

てえー!紗夜あー!


カンカンカンカン…


ポケットに手を突っ込んだまま、一段抜

きで鉄骨階段を登る、琉聖くん。


『屋上?』


屋上の一角には、不良グループの溜まり

場があった。


もうダメだ…私はここで…ヤラレてしま

うんだ。いやいや、ヤラレてたまるか!

ちゃんと断ろう!!


『琉聖くん…私…えっ?』


「ほら、これ」

「うお、あざっす!」


あ、あれっ?


琉聖くんは、ポケットから避妊具を取り

出すと、仲間の一人にポーンと放り投げ

た。


「女が、ちゃんと避妊しろってうるさ

くて」

「ふん、賢い女じゃん」