「おー!!琉聖!!」
「テメエら、何人居んだよ」
「俺も、分んね」
きゃあー!!琉聖くんのお部屋だあ!!
なんて、キュンキュンしてる場合じゃな
いみたい。どうなってるの?この状況?
10人どころじゃないもん、これ。
玄関から廊下にかけて、あぐらをかいて
いる人達の隙間を飛び跳ねて、私と紗夜
はキッチンへと移動した。
「一華、やるよ!!」
『は、はいっ!!』
「一華ちゃん、紗夜さん、私にもお手伝
いさせて」
『「葵さん!助かる、お願いします」』
まずは、鶏肉を一口大に切って、唐揚げ
の下ごしらえ。
紗夜も葵さんも、テキパキと手際よくこ
なしていく。私はキッチンの端で生姜を
すりながら出番を待った。とにかく、量
がハンパなくて、鶏肉の山が出来てる!
「一華、ご飯が炊けたから、おにぎり握
っといて」
『は、はあい!!』
出番だ!出番だ!
おにぎりかあ…何とかなるだろっ!!
私は、見よう見まねで、おにぎりを握り
始めた。
あらら、デコボコ。
ああ、具がはみ出てる。
このおにぎり、デカッ!!
ま、いっか。
ある意味、バラエティー豊富なおにぎり
が、たくさん出来た。

