琉聖くんのバイクは、振動が激しくて、
必死でしがみついた。それでも琉聖くん
は、容赦なくスピードを上げていき、カ
ーブを曲がる度に、私の叫び声が繁華街
に響き渡った。
紗夜は、仲間がバイクに乗せてくれたけ
ど、運転が滑らかで、快適に見えた。
ブオン!!
「着いたぜ」
『…はああ…死ぬかと思った』
ここが琉聖くんの…お家?アパートだ。
一人暮らしだったんだね。
仲間達のバイクが、ズラリと路駐してあ
るところへ、琉聖くんも並べて停めた。
『路駐して平気なの?傷つけられたりし
ない?』
「傷?これだけの族車だぜ、触れたら命
が危ないことくらい、普通に考えて分か
るだろ」
『…そ、そっか?』
ひたすら怖いです。
「こんばんは、如月くん」
「星川、よろしく頼むよ」
「ええ、お邪魔します!」
『紗夜あー!!』
「一華、頑張ろうね!」
初めての琉聖くんのお家。こんな形で訪
れることになったけど、来れて嬉しい。
ガチャ…
『…え?!…す、凄っ』
玄関に置き切らない靴。部屋に入り切ら
ない人達。
とにかく人口密度が、凄い!!
「一華ちゃん!」
『葵さんだあ!!成宮さんも?堕威も?
えっ?!何人居るの?!』
一体、何人居るんだー!?!?

