「琉聖のバイク、俺らで金出し合って、

買い戻したよ」


「バイク屋のおっさんが、知らせてくれ

たんだ。琉聖がベソかいてたってな」


「あの、クソオヤジ!!ベソなぞかいち

ゃいねえわ」


「けど…サンキュー」


「ははは、琉聖のバイクは癖が悪くて、

売り物にならねってよ」


「んだと!!癖が悪いんじゃねえ、ツン

デレなだけだ!」


「ぶははは、ツンデレ仕様だって、おっ

さんに言っとくよ!」


ブオオン!!!


琉聖くんとその人が、再会の挨拶を終え

るのを見計らってか、路上で待っていた

仲間達も次々にエンジンを止め、こちら

にやって来た。


強面でガタイのいい暴走族が、集団で向

かってくる姿は、恐怖以外の何ものでも

なくて、思わずうつむいた。


「オマエら…」


「総長!!」


「アホだろ」


「総長こそ」


琉聖くんが、総長?!


「それより…アレ」

「あ!ちと遊んでやった」


恐る恐る顔を上げ、琉聖くんが指さす方

を見ると、学校周辺にたむろしていた不

良達が、アチコチに倒れていた。


暴走族の仲間達、派手にやってくれたの

ね、ご愁傷さま。


後から駆けつけた相手の仲間達は、その

様子を見て、怒鳴り散らし始めた。


「何だこの状況はよ!!テメエらの仕業

か?」