「チッ…」


相手の不良達は、舌打ちをして蹴られた

ところをかばいながら、去って行った。


安心した私は、腰が抜けてその場に座り

込んでしまった。


『あ、あああ…立てない』

「あん?何だ、テメエ?」


『はっ!?』


ヤバイ!琉聖くんの連れに、見つかって

しまった。恐い顔が近づいてくる、何て

弁解しよう?


「おー!この場違いなイモ、誰か知って

るか?」


ちょ!!みんなに知らせないでよ。そっ

と逃がしてくれたらいいのに。場違いな

のは重々承知だもん。けどイモではない

ぞ!ヒトだよヒト!


私は、金髪の男に、側溝から摘み出され

た。


ああ、どうなる私…チーン。


「オマエ、名前は?」

『…い…ちか』


「んあ?…チチ?」

『違う違う!!い!ち!か!!』


なっ!何だよチチって!それならイモの

方がまだましだ!


「あはははは!チチか」


違うってば!この!!


「ん?白咲じゃん」

『うわっ!?』


とうとう、ラスボスの琉聖くんに、見つ

かってしまった。


ああ、ご愁傷さま、私。


「白咲、何してんだ?」

『な、何って、あの…』


「側溝にハマったのか?」

『ち、違っ!』


見守ってたとか言ったら、何を言われる

か分からないし。何とかこの状況から逃

れる手はないかな?