「で、何の用?」
「痛ててて!!テメエ!!ふざけんじゃ
ねえぞ!」
「ん?用がないなら帰るぜ」
「そうはいくかよ!!タップリこの前の
礼をさせてもらうぜ」
「面倒くせえな」
相手は4人、琉聖くんは連れに手を出す
なと指示したけど、大丈夫かな?琉聖く
んの仲間は、腕組みをしたり、タバコを
吹かしたりしながら睨んでいる。私は、
いてもたってもいられなくて、仲間達と
は反対側の側溝にしゃがんで、コッソリ
と見守った。
「…の野郎!!」
相手の一人が拳を振り上げ、勢いよく殴
りかかった。琉聖くんは、俊敏に頭を下
げてそれをかわしたけど、自慢のリーゼ
ントのトップ部分を、拳がかすめていっ
た。
「触んじゃね!!」
戦闘モードにスイッチが入った琉聖くん
は、恐ろしい目つきに変わったかと思う
と、みぞおちにひざ蹴りを食らわし、相
手はツバを吐いてその場に倒れ込んだ。
「オエッ…オエエッ」
「テッ…テメエ…」
その後も、琉聖くんは、全ての攻撃をか
わし、右足一本で軽く倒してしまった。
「行こうぜ」
そして、仲間に声をかけ、その場を立ち
去ろうとした。

