「いやあとんだやきもちやきに目つけられたなあ、渡瀬は。」
「あ、永谷くんに龍のこと教えたっけ?」

中神さんがふと思い出したように聞いてきた。俺は首を横に降る。

「明の幼馴染み。確か幼稚園からだったかな…」
「あー…あいつは怖えぞ。俺委員会一緒なんだけど、渡瀬とその話しただけで睨まれたからな。」

谷川さんが苦笑混じりに体験談を話すと、それに乗じて他の人たちも自分の体験談をし始めた。

「…そのリュウって人、アキラさんと離れてるときないんですか?」

話を聞いていると、どうもその幼馴染みは常にアキラさんの側にいる様だった。本当にずっと一緒となると今もどこかで見てるんじゃ…

「部活とか着替えとか側にいられないときもあるから、ずっと一緒ってわけではないな。」

そうか。24時間ずっといたら流石にヤバイか。俺が安堵の息を吐いたとき丁度校門を出た。そこにはアキラさんもいる。

「…どうしたの?なんか凄い疲れた顔してるけど。」

そう言って俺の顔をじ、と見るアキラさん。

「いや…ちょっと想像以上に手強そうな敵だなって…」
「試合の話?」
「違う…いや、何でもないです。」

検討違いの答えを出すアキラさんが可愛くて、俺は視線を泳がせた。