「随分歩いたな・・・。」
「うん・・・・。」
朝早く出てからもう五、六時間は経ったと思う・・・。
この森に来てから分かった他の森とは違うとこ。それはこの暗さと気温・・・。お昼近くになるともう夕方くらいに感じるくらい薄暗いし、暖かくなったはずなのに凄く肌寒い・・・。
はっきり言うと怖いです。
「・・・オレは今のとこ自分の本当の父さんを信じてない。てか、まず人を殺すなんて最低だと思ってる。」
「何で?確かに疑うようなところはあるけど、ジャスさんにも何か理由があってしたんじゃない?」
お父様の話を聞いてると、ただ殺すなんて酷い事するような人には聞こえなかった。
「理由があったとしても最低だよ。だってそうだろ?オレと母さんを裏切って捨てたんだ。アカのお母さんだって・・・。」
「止めてっ!!私のお母様も裏切られたって言いたいの!?裏切られて捨てられて殺されたって言いたいの!?」
「っ!!」
そんなのっ!レンの口から聞きたくなっ!!
「どうして自分のお父さんを嫌な方に持って行こうとしたりするの!?そんなのダメだよ!!」
「じゃあなんだよ!?あんな話をされてそうですかなんて冷静に聞き入れろって言うのか!?」
「そんなこと言ってなっ!」
「だけど事実だろ!?オレの母さんが裏切られたことも、お前の母さんが殺されたこともっ!!」
「・・・・っ!」