オレは自分が嫌いだ。
皆オレのこと汚れた毛って言う。
確かに、オレの毛は皆みたいに黒や焦茶色じゃない。でも、母さんが青色の毛だったからオレも青色になってしまったんだ。別に母さんが嫌いな訳ではない。母さんは嫌いじゃないんだけど、オレは・・・青が嫌いだ。
「レン様!レン様!いつまで寝てるんですか!?起きてくださいな!」
「起きてるよ・・・。」
うるさいメイドだ。だいたい今起きてもまだ五、六時間は皆起きないよ・・・。メイド達の起きる時間と同じ時間に起こすなっての。
「これだから良い年のおばさんメイドは・・・。」
「何か言いましたか?」
「いえ、散歩して来ます。」
外に出て大きく息を吸った。まだ日が沈んでいない。
学校かぁ、どうせ行ってもあいつらにからかわれるだけだしな・・・。
「・・・・・。」
・・・今日は、サボっちゃうかな・・・?
そう思い、オレは学校の支度をして家を出て、近くの草陰に荷物を投げ捨てて森へ向かった・・・。
「思いっきり出てきたけど、どこに行くかな・・・。」
しばらく当てもなく歩いていると、ブレブリーの花畑についてしまった。
うわっ!オレ、ブレブリーの花青いから苦手なんだよね・・・。
・・・ん?あそこに誰かいる・・・。
そこには、赤い少女らしき影が見えた。オレはその子が気になって近ずいてみると、彼女はブレブリーの花を沢山つんでいた。
どうしてそんなにつんでいるのだろう?
「よし!これくらいあればお母様も喜んでくれるかな?」
彼女は嬉しそうに花を見つめながら振り返りオレの顔を見て動きを止めた。
ドクン・・・と心臓が大きく音を鳴らす・・・。
赤くさらさらな髪、透き通る肌、くりくりとした大きな赤い瞳・・・。長いマントのようなずきんをかぶってることからきっと彼女はずきん族の姫君なのだろう。・・・まぁ、オレも一応王子だけど。
オレ達は国の掟上会ってはいけない仲。でも、オレは逃げなかった・・・。
「貴方・・・耳がある。もしかしてオオカミ族?」
彼女は少し戸惑った顔をした。
なんだろう・・・、
懐かしい気がするんだ・・・。