友情のち恋、ときどき嵐。

「海」


海は和陽のほうを見ようとしない。

和陽はそれに腹が立ち、海の顔を両手でグイッと寄せ、自分の目の前に持ってくる。


「謝るときは相手の目を見て言う。・・・俺は、過去は変えられないものだと知ってるけど、未来は作れるものだとも知ってる。・・・お前は、もう俺とは友達にはなってくれないのか?」


海を失うのが、なんとなく怖かった。

海の、子供のように危うい感じが、和陽の心を締め付ける。


「お、れは、・・・かずひ、うしない、たく、な、い」


しゃくり上げながらでも、海は答えてくれた。


和陽はそれが嬉しくて、海を抱きしめた。


「俺も、お前の傍にいたい」

「かず、ひ」


海は和陽の服のすそをキュッと握り締めた。

『もう二度と間違ったことはしない』

海にそう誓わせて、和陽と海は『友達』になった。