――― 帰り道 ―――
「・・・海」
「何?」
「・・・なんで俺たち手をつないで帰らなきゃいけないわけ?」
確かに海と和陽は手をつないで帰っていた。
「しょうがないだろ?付き合っていることになってんだから」
そう。普通に教室で言い争っていたため、一瞬にして噂になってしまったのだ。
そして、面白がって茶化す輩もいたのだが。
そこは、『友紀の相手』友達のコンビネーションで、うまくかわした。
で、海と和陽が話し合った結果。
バカップルっぽくしとくか、ということになった。
「· ··어째서 이렇게 되었다.(なんでこんなことに・・・)」
「・・・中国語で話すのやめてくれ」
「・・韓国語なんだけど」
「じゃあ、韓国語やめてくれ」
「Why must I return with this person hand in hand?(なんで俺はコイツと手をつないで帰らなきゃいけないんだ?)」
「・・・英語も」
「・・・はぁ」
和陽は、左手のあたたかさを、まだ知らずにいた。
海は、右手の冷たさに、少し切ない思いをしていた。

