勢いよく玄関を開け家の中へと入ると、

外の世界から遮断するかのように素早く鍵をかけた。

今さっきの光景が頭の中に鮮やかによみがえる。

人を見下すような古澤君の言動。

まるでゲテモノを見てしまったかのように

冷たい視線を向けた仁美。

わざと耳につくようにケラケラと笑い

私たち姉弟をバカにした2人の姿。

私は思わず耳を塞いだ。

思い出したくもないあの頃を、

2人は奥深くまで掘り返した。

思ったとおりの私の反応に、

2人はゲーム感覚で楽しんだのだろう。

あの当時と同じように。