羽ばたけなくて

その日を境に私はより一層、

みんなとの距離を置くようになった。

私なんか、みんなとは違う種類の人間なんだ。

私なんか、恋なんてしちゃいけないんだ。

私なんか、この学年のお荷物なんだ。

私なんか……

どうにか学校に通いながらも、

頭の中では“私なんか”と唱え続けていた。

私になんか話しかけてくれる人なんて誰もいない。

ぽつんと1人孤立した席。

みんなから向けられる軽蔑する視線。

そんな環境にいながらも、

私は「あと少しの辛抱だ」と頑張った。

ただ唯一の救いだったのは、

私が安陪君に告白したことが

噂として流れなかったことだった。

きっと安陪君はそのことを

誰にも言わなかったのだろう。

もしかしたら、私からの告白自体が

安陪君にとって汚点だったのかもしれない。