羽ばたけなくて

「あの、……安陪君。」

呼びかけたその声が思っていた以上に小さく、

そして微かに震えているのに自分自身が驚いていた。

そんな私の弱々しい言葉に、

安陪君はにこりとすることなく

私と視線を合わせ続けた。

“やっぱり、私のこの想いを安陪君に伝えたい!”

募りに募った安陪君への想いを、

その想いのまま言葉にした。

「私、安陪君が好き。

 ずっと……ずっと前から、好きだったの!」

心臓がドクドクとうねるように波打つ。

顔も火照って、それこそ火が出るように熱い。

まるで全速力で走ったかのように、

息も乱れ上手く呼吸が出来ない。

そんな状態でも、

私はようやく安陪君に想いを伝えられたという

喜びで胸がいっぱいだった。