羽ばたけなくて

古澤君のあの一言がきっかけとなって、

同学年からの私を嫌がる態度が露骨になっていった。

それまで教室内に綺麗にならんでいた机も、

私の周囲に

すっぽり空間ができるほどになってしまった。

ぎこちないながらも話をしてくれていた仁美もまた、

それを境に一言も口を訊いてくれなくなった。

私は、完全に孤立した。

親友だと思っていた友だちも、

笑顔で接していたクラスメイトも、

委員会やなにかで一緒になって

頑張っていた同学年の人たちも、

みんな、私の側から去っていった。