お母さんとヨウはそれから

何度も何度も小学校を訪れた。

先生方と何度も何度も話し合いを重ねた。

その間、きっと先生方から

きつい言葉を言われ続けたのだろう。

お母さんの目が腫れぼったい日が続くのも

珍しいことではなかった。

お父さんもまた、

目の下にクマが出来ている時があった。

私たち家族と、小学校との戦い。

いや、健常者と障がい者にはだかる見えない壁との戦い。

精神的にかなり追い詰められながらも

両親は頑張り続けた。

ヨウのため―――

ヨウが社会へと踏み出す

その一歩を助けたい一心だった。

そんな生活も1ヶ月が経ったある日の朝。

起きたばかりで寝癖のついた状態の私に

お母さんはにっこりと笑い、

「羽衣。

 今度の4月からヨウと一緒に小学校に通えるわよ!」

と、喜びに満ちあふれた声で言った。

この朝のお母さんの姿は

太陽に照らされたひまわりのように、

とてもキラキラと輝いていた。