羽ばたけなくて

次の日。

私が学校から帰ると、

お母さんは見慣れない服装をし、

少し緊張した面持ちで迎えてくれた。

「ただいま、お母さん。」

「お帰りなさい。

 羽衣、これからお母さんね、

 ヨウと一緒に少しお出掛けしてくるからね。」

そう言うお母さんの笑顔が

少し引きつっていたのを私ははっきりと覚えている。

その表情に私は思わず、

「私も、私も一緒に行っちゃ、ダメかな……」

と言っていた。

私の思わぬ問いかけに、

お母さんは少し考えてから優しく微笑んで、

「ん、分かったわ。一緒に行きましょう。」

と、私を受け入れてくれた。

私は笑顔で「うん」と言い、

ランドセルを部屋へ置きに行った。

子どもなりに“頑張らなくちゃ”と心の中で唱えながら。