羽ばたけなくて

それまで気持ちの沈んでいたお母さんが、

急に校長先生へと身をぐっと乗りだし、

「面談を受けたら、

ヨウの入学を許可してくださるんですね!」

と力強く叫んだ。

しかし、校長先生は

お母さんを押さえ込むようにソファに座らせると、

「いや、まだ“許可する”とは言っていません。

 “入学を検討する”という意味です。」

と、眉間にしわを寄せながら言った。

校長先生のなんとも歯切れの悪い言葉。

しかし、お母さんは今までの固かった表情が

一瞬のうちに晴れやかになった。

「入学の可能性は“ある”てことですよね?

 わかりました。児童相談所で面談を受けて、

 もう一度こちらにお邪魔します。」

お母さんは力強くそう言うと、

ヨウの手をぎゅっと握り締め

「頑張ろうね」と小さく声をかけた。

その優しい声にヨウはにっこりと輝く笑顔を見せた。