羽ばたけなくて

「……では一度、

 児童相談所へ行ってきてください。」

校長先生の言葉に、隣に座る先生が深く頷く。

「それがいいですね、校長。」

片方の口元を少し上げ、

なんだか企みのある表情で先生が同意する。

「児童……相談所?」

校長先生からの突然の提案に

お母さんは戸惑いを隠せないでいた。

お母さんが呆然としていると、

校長先生は構わず言葉を続けた。

「はい。児童相談所で専門のスタッフと数回、

 面談を受けてください。

 その面談の結果をお持ち頂きそれを踏まえた上で、

 もう一度、我が校で受け入れられるか判断致します。」

「相談所で、面談……」

お母さんがゆっくりと言葉を繰り返す。

校長先生は静かに一度だけ頷いた。